中央大橋歯科クリニック インプラントセンター併設

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むし歯治療

むし歯を科学する、カリオロジー

ミュータンス菌

カリオロジーという言葉をご存知でしょうか。カリオロジーとは、むし歯(ウ蝕)の実体を把握してコントロールする事を目的とした学問です。

カリオロジーの研究が進み、現在ではむし歯の発生するメカニズムが明確になっています。


むし歯はミュータンス菌による感染症

バイオフィルム

むし歯の原因菌であるミュータンス菌は、食事の際に摂取される糖分から不溶性グルカンと呼ばれるネバネバと酸を作り出します。

このネバネバによってミュータンス菌は歯にこびりつき、塊となってプラーク(歯垢)を形成します。また排出された酸はプラーク内に貯留して徐々に酸性度を低下させます。酸性度はpH(ペーハー)と呼ばれる数値で表され、pH7の中性を中心に、それ以下を酸性、それ以上をアルカリ性としています。お口の中は通常pH6.7くらいの弱酸性に保たれていますが、ミュータンス菌の排出する酸により酸性度が低下してpH5.5以下になると歯を溶かします。この歯の溶解現象を「脱灰」といいます。一方、唾液には緩衝能といって酸性に傾いたお口の中の環境を中性に戻す働きがあります。これによりpHが5.6以上に回復すると「再石灰化」という溶け出した歯を修復する現象に変わります。

このようにミュータンス菌の排出する酸と唾液の緩衝能により、お口の中では常に脱灰と再石灰化を繰り返していて、一進一退の状態が維持されています。

しかし、この一進一退のバランスが崩れ、酸性度が低下したままの状態が維持されてしまうと、脱灰が進みむし歯が進行します。下記のグラフはステファンカーブと呼ばれるもので、食事後の経時的な口腔内のpH値の変化を測定したものです。


食後における脱灰と再石灰化の流れ

*グラフ内の灰色の帯は臨界pH(5.5・.6)といって、脱灰と再石灰化の分岐点を表しています。

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1 食後はミュータンス菌の働きによりpHが急降下します。この状態では歯は脱灰に向かいます。
2 唾液の緩衝能によりpHは急激に臨界pHまで回復します。ブラッシングをするとこのプロセスはさらに酸性度の回復を早めます。
3 さらに唾液の作用が進み、pHは中性近辺まで回復します。この状態になると歯は再石灰化に向かいます。

ステファンカーブを1日の食事に合せて連続させると、食生活習慣の違いにより全く異なったグラフになります。以下は規則的な食生活をしている場合と不規則な食生活をしている場合のステファンカーブの例です。

規則正しい食生活をし、食後のブラシングも欠かさなかった場合のステファンカーブ

ステファンカーブ


不規則な食生活で、食後のブラッシングも怠った場合のステファンカーブ

ステファンカーブ


上記の2つのグラフを比較してみると、上のグラフは1日の大半が臨界pH以上の弱酸性に維持されているのに対し、下のグラフは1日のほとんどが臨界pH以下の酸性状態が続いていることがわかります。この違いこそが食生活習慣におけるむし歯になりやすさの違いであり、むし歯が生活習慣病と言われる所以です。

歯のしくみ

歯の仕組み

歯は図のように表面をエナメル質が覆っており、その下に歯の大部分を占める象牙質があります。象牙質の中には歯の神経である歯髄が入っている空洞があり、これを歯髄腔と呼んでいます。むし歯を理解する上で大切なのは、歯がエナメル質、象牙質、歯髄で構成されているといことを知ることです。


むし歯の進行

「むし歯=痛くなる」と一般的には思われていますが、実際はそうでないことも多くあります。これはエナメル質と象牙質のむし歯の進行速度が大きく異なることに起因します。むし歯は歯の表面にあるエナメル質から始まりますが、エナメル質は非常に硬い組織なためにむし歯の進行はゆっくり進みます。エナメル質に目では確認できないような微細な穴が開くと細菌はいよいよ象牙質内に侵入します。象牙質は比較的柔らかい組織のため、むし歯の進行は速く進みます。よってエナメル質にはごく小さな穴しか開いていなくても、象牙質には大きな穴ができていることがほとんどなのです。この状態では歯に刺激が加わってもエナメル質が刺激を遮断しているため痛みを感じにくいのです。 さらにむし歯が進行すると今度は歯髄に細菌が侵入し、歯髄が細菌感染すると歯髄炎という炎症を引き起こします。しかし歯髄には血流があるため、免疫細胞の働きにより細菌を駆除しようとします。免疫細胞が細菌の侵入をある程度抑えられているうちは痛みを感じない慢性の歯髄炎となっていますが、免疫力の低下があると急性化して激しい痛みを伴うことがあります。歯髄炎は一度起こってしまうと二度と元には戻らない(健全なときのような無菌状態にという意味)ので、歯髄を除去して髄腔内の無菌化を目指します。これが神経を抜く処置です。 まとめると、「むし歯があるけど痛みがない=まだ大丈夫」ではないということです。痛みがあるということはむし歯がある程度進行していることを意味するので、こうなる前に治療を受ければ簡単に済む場合が多いです。

むし歯の進行具合と治療法

むし歯は進行の具合にによってC0~C4までに分類されます。その程度によって治療方法も変わりますので、それに合わせて治療回数も異なります。

C0:エナメル質にみられるごく初期のむし歯

C0とはカリエス・オブザベーションのことで、「経過観察するべきむし歯」という意味です。むし歯の始まりである脱灰がエナメル質にみられるものの、管理さえしっかりすればむし歯の進行は止まり、逆に再石灰化(むし歯の自然治癒)も期待できるような状態です。


C1:エナメル質内に留まるむし歯

C1はエナメル質内に留まるむし歯のことで、この段階ではほとんど痛むことはありません。治療も早期治療になりますので、麻酔をすることもなく治療が可能です。むし歯を削ってレジンというプラスチックを詰めるだけなので、治療は1回で済みます。


C2:エナメル質から象牙質に及ぶむし歯

C2はむし歯の穴がエナメル質を突破してその下の象牙質に広がった状態です。象牙質には痛みを感じる器官がありますので、治療に際しては麻酔が必要です。治療はむし歯を削ってレジンを詰めるか、または歯型を採って金属またはセラミックの詰め物を詰めるかになります。どちらが適しているかはむし歯の大きさによります。


C3:歯の神経(歯髄)に達するむし歯

C3は歯の神経(歯髄)に達するむし歯なので、痛み(冷たいもの温かいものでしみる)を伴うことが多くなります。歯髄はもともと無菌状態にあるものなので、一度むし歯菌に感染してしまうと神経そのものを除去しない限り痛みを取ることはできません。治療は麻酔をして行いますので神経を抜くときには痛みはありません。歯の根の部分は残りますので、最終的には詰めるかまたは被せることで歯の形態を修復します。


C4:歯の大部分が崩壊して穴があいているむし歯

C4はむし歯の末期的な状態です。むし歯菌の感染により歯の神経が死んでいるため痛みがないことが多いようです。根の部分の先端で膿の袋を形成していることもあり、除菌治療には時間を要します。むし歯が運悪く顎の骨の付近まで広がっている場合は、治療による回復の可能性は著しく低くなります。治療方針によっては歯そのものを抜くという選択肢も入ってきます。できればこの状態になる前に治療を始めることが理想です。


むし歯治療の実際

症例1

1.この歯は元々金属が詰まっていましたが、その金属が取れたあとも放置していたため中がむし歯になってしまったケースです。まだ神経が残っていたので中の状態が心配です。

2.麻酔をして慎重にむし歯を除去したところです。思っていたほどむし歯は進行していなかったので神経は大丈夫でした。むし歯を削った後に特殊な試薬でむし歯が残っていないことを確認済みです。

3.削った穴をよく消毒したのちレジンというプラスチックを詰めました。その後形態と咬み合せを整えて磨き上げたところです。特に噛むのに支障はなく、また取れてしまうこともありません。この歯の治療はこの1回で終わりです。すぐに食事もできますし、安心して使っていただけます。


症例2

1.この歯も元々金属が詰まっていましたが、この症例の場合は形を整えてから歯型を採って金属の詰め物を製作しました。

2.これが歯型上で製作された金属の詰め物です。

3.お口の中で金属の詰め物を調整し、歯に特殊な接着剤で装着した状態です。